アワー・ミュージック

正しいヒマの過ごし方。楽しいお金の使い方。

コーヒーのまずい喫茶店で相撲中継を見ていたことなど

日記を書きます。日記なので、ですます調でいきたいと思います。一週間くらい前の、僕の一日。


この前、若者のすべて、ここにあります。と言いたくなるような、思わず14才の頃の笑顔になってしまうような夜を過ごしました。その日はお昼から地元の友達が遊びに来ていて、慣れないスパイスカレーなど食べました。メニューにスパイシーなので辛いの苦手な人は気をつけて!と書いてあった猪のカレーを注文して、本当に辛くて全身の、主に頭の毛穴を全開放しながら食べました。猪の肉は、歯応えはあるけど固くはなくて、僕は今肉を噛み、ちぎり、味わい、食べているという満足感がとっても得られて良かったです。あと理科の教科書以外で初めて紫キャベツを見て、食べました。店主さんはサボテンを買いに名古屋に行っていて留守だと、奥さんらしき人が話してくれました。僕は生まれてから高校を卒業するまで、名古屋で育ったのだけど、名古屋がサボテンの街だなんて、初めて聞きました。それからあんまりにも汗を垂れ流しながらカレーを食べる僕を見かねて、その人はグァバジュースをご馳走してくれました。僕はあんまり南国チックなフルーティな飲み物は好きじゃないけれど、スパイシーなカレーと一緒に飲むグァバジュースはおいしかったので、ありがとうという感謝の気持ち以外浮かびませんでした。


カレーを食べ終わったあと、夜の予定まで数時間ひまがあったので、近くにあった喫茶店に入りました。コーヒーでも飲みながら時間を潰そうと思ったのだけど、京都の昔からやっている、低体温な感じの喫茶店は、入った時に結構な確率でな、何しに来たの?みたいな顔をされます。しかし僕は京都に住んでもう四年目になるのでへっちゃらです。コーヒーを飲みに来たんだよ、オラオラと頭の中で啖呵を切りながらズケズケと店内に入り、一番奥の隅っこのテーブルにそっと腰を下ろすと、お年玉をもらうときの孫のような謙虚な態度でコーヒーを注文しました。出てきたコーヒーは麦茶と黒豆とコーヒーのキメラのような変な味がしました。健康に良さそうで、まずかったです。友達はミルクとシロップをたっぷり使って豪快な味変更をしたあと、半分くらい飲んで残していました。男らしいなあと思いました。店員なのか常連客なのか判別がつかないおじいさんおばあさんが、ボーッとテレビを見ていました。相撲の試合と野球中継を、20分おきくらいの間隔で行ったり来たりしていました。僕は昔からあまりテレビは見ないから、そのチャンネルを変えるタイミング、ないしはそれを支える法則性のようなものがさっぱりわかりませんでした。面白い番組やってないねえとおじいさんは呟いていましたが、全然不満そうじゃなくておもしろかったです。面白くても面白くなくても、どっちでもいいけどテレビを見る。それは僕らの世代以前にしかない習性だと思うのです。

初めてしっかりと見る相撲の試合は、意外とテンポが良くて、おもしろかったです。大きくて強そうな力士と、大きくて強そうな力士とがぶつかり合って、あっという間に勝負が決まる。大きくて強くて格好良くて、必殺技みたいな名前がついた男たちが恐い顔でしばき合う様を、僕はロボットアニメを見るような気分で眺めていました。野球も相撲も、見所とそうでもないところがハッキリと分かれていて、あんまりルールを知らなくても楽しめるいいスポーツだと思いました。僕にはいつか野球ファンになるという夢があって、応援するなら横浜ベイスターズと決めています。名前が好きだからです。だけど選手の名前とか成績とか、往年の名試合とかドラフトとか巨人が嫌いとか、その辺のことがよくわからないし覚えるのもめんどくさいのでまだ野球ファンになれずにいます。応援したチームが試合に勝った負けたとかで、嬉しくなったり不機嫌になったりしてみたいものです。


夜は、僕に銀杏BOYZと何軒かの美味しいお店と、男子中学生みたいに女の子に対して憧れを抱くことは恥ずかしいことじゃないぜということを教えてくれた先輩の誕生日ライブで、本当最高だったのですが、長くなってしまったので詳しくは書きません。お誕生日おめでとうございます。生まれてきて、よかったねと心の底から思えるピースフルな夜でした。グッドミュージックイズグッド。


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