アワー・ミュージック

正しいヒマの過ごし方。楽しいお金の使い方。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「自動記述」とは何か

はじめに 第一章 自動記述の成り立ち 第一節 自動記述の定義、自動記述前史 第二節 フロイトの自由連想法について 第三節 ブルトンとフロイト 第四節 フロイトの自由連想法とブルトンの自動記述 第二章 自動記述の特徴 第一節 自動記述の特質 第二節 自動記…

『ダダ・シュルレアリスム新訳詩集』のAmazonレビューについて

2017年に思潮社から出されている、塚本史/後藤美和子訳『ダダ・シュルレアリスム新訳詩集』は、現在Amazonのカスタマーレビューで満点の星5.0の評価が付けられている。と言っても投稿されているレビューは1件だけで、その内容を見ていると、詩集に対する感想…

受胎告知の名画④ 読書をするマリアの図像の起源と発展

notre-musique.hatenadiary.jp 受胎告知の絵画は、ルネサンス期において最も多くの作例が描かれましたが、その際、必ずと言っていいほど、マリアは本を手にしているか、読書中であるか、書見台や机に置かれた本が描き込まれています。第一回目の記事で見たよ…

フラ・アンジェリコの生涯と受胎告知画、受胎告知の名画③

notre-musique.hatenadiary.jp 前回に続いて、今回はフィリッポ・リッピと並んで「受胎告知の画家」とも称される、画家であり敬虔な修道僧でもあったフラ・アンジェリコの生涯と受胎告知画を見ていきます。15世紀イタリアの画家の中でも、ボッティチェリやフ…

フィリッポ・リッピの生涯と受胎告知画、受胎告知の名画②

notre-musique.hatenadiary.jp 前回の記事の続きです。今回からは具体的な作品を見ていきながら、受胎告知に見られる図像の特徴を見ていきます。受胎告知の絵画はルネサンス期に全盛期を迎え、中でもフィリッポ・リッピとフラ・アンジェリコは、多くの受胎告…

受胎告知の名画・導入編

西洋美術の歴史を紐解くと、その時代毎に人気のあった主題が見えてくる。受胎告知は、主にルネサンス期のイタリアを中心に広く流行した主題で、レオナルド・ダ・ヴィンチやボッティチェリ、フラ・アンジェリコやフィリッポ・リッピなど、枚挙に暇がないほど…

きみは便利な映画情報サイト「MIHOシネマ」を知っているか!?

季節は春。陽射しは日毎に手応えを増し、街をあたため、草木は芽吹き、人々が新たな予感に打ち震える季節です。夜になっても冬物の上着が要らないほどの心地よい気温に、春の訪れを噛み締めながら、お出かけしたくなる誘惑に駆られる方も多いかと思います。…

フォイエルバッハ『キリスト教の本質』を読みながらの覚書

フォイエルバッハの『キリスト教の本質』を読んでいる。二章の中で、神を無限に超越的な存在、何によっても規定されない不可知の存在と考えることは、狡猾に敬虔さを装った無神論である、という主張を見つけて興味深く思った。本文からのきちんとした引用は…

狂気のアメリカン・パイ全作品レビュー

・まえがき アメリカの青春コメディ映画の金字塔、『アメリカン・パイ』シリーズ全作品の感想です。有名なシリーズですが、全作品を通して観たことがある人は、意外と少ないのではないでしょうか。先日友人とアメリカン・パイシリーズ全作品を語り合う会を開…

「不在の百合」とはなにか

今日、いつものようにTwitterに張り付いていたとき、「不在の百合」なる概念があることをこのツイートで知った。https://twitter.com/dw_nkmr/status/1349546827826098181?s=20 また、Twitterで検索してみると、「不在の百合」概念の例示として、うら寂れた…

映画『マグダラのマリア』(2018)の感想。

Netflixでも配信中の、ガース・デーヴィス監督、ルーニー・マーラ、ホアキン・フェニックス主演の映画『マグダラのマリア』(2018)の感想です。 マグダラのマリアについて、ルカによる福音書にはイエス様に7つの悪霊を追い出して頂き、自分の財産を投げ出し…