アワー・ミュージック

正しいヒマの過ごし方。楽しいお金の使い方。

映画でも観ようかと思って

 今日は1日ゆっくりする日だと決めて朝からぼーっとしてるけどすることがない。することもないしお金もない。本を読む気が起きない。本が読めないほど疲れてるというわけじゃないけど読む気が起きないということが時々ある。そういう時は映画を観ることにしていたことを思い出した。本がなければ映画を観ればいいじゃない、ということに気がつくのに一週間かかった。最近すっかり映画を観なくなっていたので。

 近所のレンタルビデオ屋さんに行ってもいいけど、これを機になんらかのVODサービスに契約してみようかと思って、いくつかのサービスのラインナップを眺めてたんだけどめちゃくちゃ疲れた。というのも、表示順がおすすめ順(人気順?)と新着順しかないから。年代とか、ジャンルとかで絞り込んで検索することもできるけど、どんな絞り込み方をしても最初の3ページくらいは金曜ロードショーの常連みたいな映画しか出てこないので、ひたすら無心でページ送りする時間がいちいちあってめんどい。何回ワイルドスピードやミッションインポッシブルを見せる気なんだ。毎回バックトゥザフューチャーを観るわけないだろ。説教くさいヒューマン映画やインスタグラム的な恋愛映画をミュートしたい。そういうのが無性に観たくなる時もあるけど…ローマの休日があるだけで白黒映画もあります!みたいな雰囲気を出すな。

 あと、ラインナップ的にも、各ジャンル、各監督の代表作が2、3本あるだけということが多くて、ジャンルや年代や監督で掘り進めたい時にどうにもならない。ゾンビ映画で言ったらロメロの三部作だけ、みたいな。死霊のえじきはないことが多いけど…。キューブリックがシャイニングの一発屋みたいになってる。レオンとアメリとショーシャンクを入れといたらミニシアター系もカバーできてますみたいな顔をするのをやめろ。男はつらいよ釣りバカ日誌などでカサ増しするのをやめろ。年代で絞り込んで眺めてる時に寅さんの顔が延々と続くとうんざりしてくる。

 すべての棚の目立つところにダークナイトが置いてあるレンタルビデオ屋さんがあったらびっくりするけど、VODサービスではそういうことが多々ある。どのジャンルを見ても同じようなラインナップが出てくるだけの状況がしばらく続く。マッチョなアクション映画が観たいわけでもとろけるような恋愛映画が観たいわけでもない時にはイライラする。邦題に「人生」が付くタイプの映画ばっかりオススメしてくるな。今は別に人生観を変えたいわけじゃないんだよ。あいうえお順で表示できるようにしろ。観たい映画が全然出てこなくて、だんだんイオンに入ってる映画館に来た時みたいな寂しい気持ちになる。

 何を観ようかなと思いながらレンタルビデオ屋さんをウロウロするのは楽しい。知らなかったけどタイトルやジャケットがきになる映画を見つけたり、観たいリストに入れたまますっかり忘れてた映画とか好きな監督の観てない作品とかがほいほい見つかる。というか棚が違えば置いてある作品が違うのが今となっては嬉しい。あいうえお順で並んでるのも。観たい映画が明確に決まってるわけではないけど、なんか映画観ようって気分の時にはVODサービスは不便だ。アバウト・タイムもきみに読む物語最強のふたりもセッションももうオススメしなくていい。別にそういうのが嫌いなわけじゃないけど、しつこいので。やっぱりレンタルビデオ屋さんをウロウロした方が短時間でたくさんの収穫がある。フランス映画やB級ホラーや古いフィルムノワールなんかが充実してるサービスがあったら教えて欲しい。マーベル系やらヤクザ映画や時代劇やアカデミー賞受賞作大好きマンだったらよかったのにな。最近マーベルに対する追い風がすごい。完全に乗り遅れてしまった。

 

 素直にビデオインアメリカに行きます。