アワー・ミュージック

正しいヒマの過ごし方。楽しいお金の使い方。

 


プラトンアリストテレスの時代のプシュケーと、デカルト以降の心の概念とを区別するものは、心の概念は主観的・私秘的であるという点であろう。心身問題と他我問題独我論はその意味で同根である。私にしか感じられない私の心の存在、言い換えれば、私が私以外の心を感じられないという事実、私がどうしても私であるということが、これらの問題の根底にある。

 


長い間女性はまるで自我を持たないかのように、家庭内の労働力として抑圧されてきた歴史がある。ヴァージニア・ウルフは、『自分ひとりの部屋』において、女性の社会進出、地位向上のためには、自分ひとりの部屋を持ち、自分のために使える時間を確保することが必要であると説いた。

 


また、イーフー・トゥアンの『個人空間の誕生』は個人的な空間の誕生と、近代的な自我の成立との関係について述べられているっぽくて、今読んでみたいと思っている。

 


空間と時間は哲学の重要問題であり続けている。空間と時間という概念は人間の認識を成立させるために欠かせない枠組みであるし、個人的な空間と時間が、心という概念の成立に深く関わっているとしたら。

 


読みたい本はたくさんあるがそれをすべて買うためのお金も、読み切るだけのガッツもない。いまはないし、これまでもなかったし、きっとこれからもないだろう。しかし何かに急き立てられて、急いで読もうとしてしまうから、自分の頭で整理する、というステップをすっ飛ばしてしまい、そうすると後々の定着率が低くなる。読んだはずなのに読んだ気がしなくなる。急いで読んで、鵜呑みにすると、次の日にはすべてケロリと忘れる。きちんと咀嚼して、必要ならば唾をかけろ。