アワー・ミュージック

正しいヒマの過ごし方。楽しいお金の使い方。

二回目のデートで話すようなことをだらだらと喋りたい

現実的な関係性を離れて、ひとりひとりとしてとりとめのない話がしたいと思うときがある。それは個人的な話でも、そうでなくてもいい。深夜に二人で、ぽつりぽつりと話をしながら、長い長い散歩がしたい。そんなことを考えていたら、思い出したことがいくつ…

真夜中のひとりごと

感情や気持ちというのは、複雑なもので、複雑というのは、原因-結果と単純に割り切ることができないことで、例えば気分が沈んでしまって、それでいて落ち着かないというのは、空が灰色だからとか、疲れがたまってるんだとか、もっともらしい理由をつけること…

花の都は大東京です

火曜日に面接があったので、東京に行った。大学生になってからは、初めて行く東京だった。最後に行ったのはたしか、大学受験の頃だから、高校三年生の二月で、ニュースになるくらいの大雪が降った日だった。電車が遅れていつもより人が多いであろう車内で、…

僕らが文を書く理由

最近、なにかを書くのが楽しくて、人からどうして書くのとか聞かれたりもして、書くってどういうことなんだろうということをよく考えてる。 「読むことは人を豊かにし、話すことは人を機敏にし、書くことは人を確実にする」と書いたのはイギリス経験論の先駆…

ドライカレーをぐちゃぐちゃにして

昨日の夜から、本を読んだり考え事をしたり、とびきり暗い未来予想図を思い描いて涙を流すなどをしながら眠れずに、待ちくたびれて朝を迎えたけどちっとも眠くなかったので、そのまま新しい一日を始めてしまうことにした。そつなく顔を洗いコンタクトレンズ…

コーヒーのまずい喫茶店で相撲中継を見ていたことなど

日記を書きます。日記なので、ですます調でいきたいと思います。一週間くらい前の、僕の一日。この前、若者のすべて、ここにあります。と言いたくなるような、思わず14才の頃の笑顔になってしまうような夜を過ごしました。その日はお昼から地元の友達が遊び…

自分の好きは自分で決める?

岡田斗司夫の『オタクはすでに死んでいる』を読んだ。著者なりのオタク観や、世間から見たオタクのイメージの変遷、オタクの定義や特徴の移り変わり、オタクの世代論なんかが盛り込まれていて、面白かった。 この本の中で、オタクとは「自分の好きなものを自…

それはムード、甘いムード

六月になったからって、いきなり張り切りすぎている雨と風を横目に、頼りない部屋で山田詠美の「ラバーズ・オンリー」読んでいる。いろんなソウルミュージックを題材にした短編集で、研ぎ澄まされた身体感覚とクールな文体とがたまらない、とびきりムーディ…

コンビーフをご馳走だと思う気持ち

深夜に起きていると、そして眠れそうにないと、個人差はあるでしょうが、気持ちが荒ぶってきますね。ネガティブな想念も、ひょっこりとかわいい顔を出したりしますね。しかしネガティブな気持ちや言説は一般的に、唾棄すべきものとされています。なんででし…

あの子のことが好きなのは

昨日、今年初めての素麺を彼女と二人で食べた。揖保乃糸と迷ったんだけど、って言いながら彼女が安い素麺を買ってきた。僕はどっちでもいいよって思ったから、どっちでもいいよって言った。俺はあんまり食べ物の味がわからないから、安くても気にならないし…

ビギナーズラックとアルデンテな人生

最近ふと思ったことがある。ぼくは、人生やるの初めてなんだけど、ビギナーズラックとかないのかな。あったらいいのになって。ビギナーズラックって、みんな言うけど、俺はあんまり信じてない。初めて、と言うか現時点では最初で最後の、競馬に行った時には3…

給料日のバイトの帰り道にする妄想プランA

給料日のバイトの帰り道、いつもより財布は重くなって、その分気持ちが軽くなりますね。このお金、何に使おうかなーなんて考えてると、ウキウキしますね。そのまま予想外の方向へ妄想が転がっていくことも、少なくないですよね。というわけで、僕がバイトの…

部屋にある壊れたトースターを考える

僕の部屋には壊れたトースターがある。ある時はタバコを吸う時の椅子になって、ある時はノートパソコンを置く台になって、今では巻きタバコ用の道具とか、友達からもらったお土産とかを入れておくための小物入れになっている。壊れたトースターの中に、昔友…

気になる名前

最近気になる名前がいくつかある。というかやたらと気にいった名詞がいくつかある。だけど日常生活の中で使う機会はほぼゼロのものばかりなので、やり場のない気持ちをここに吐き出すために列挙してみる。ヴィヴィアンウエストウッドのロッキンホース・バレ…

ロックンロール原理主義とリフレインについて

決断が苦手だという自覚がある。その日に着る服を選ぶのも苦手だし、食べたいものを考えてからスーパーに買い物に行くのも億劫だ。だから着る服は大抵いつも同じだし、よく作る料理のレパートリーも五つもないくらいだ。買い物をする時の基準も明確で、欲し…

新聞の言葉、詩の言葉

就職活動に行き詰まって、悩んでた時にぶち当たって救われた本が穂村弘だった話。ちょっと前に書いて、なんとなく公開してなかったけど、なんとなく公開する。就職活動をしていてつらいのが、どこに行っても”コミュニケーション能力”が最低限求められること…

頭の中の地図について

頭の中の地図について、最近よく考える。それは大げさに言い換えると、その人が自分の暮らす街や、世界についてどんな風に捉えているかということだ。頭の中のカレンダーについても同様だ。僕のカレンダーにとっての祝日は、追いかけている漫画の発売日だ。…

「もしも心がすべてなら、いとしいお金はなんになる?」ってシナトラが言ってたって寺山修司が言ってた。

深夜のちょっと不安定な気持ちの時に書いた文章とか思ったこととかって、次の日起きてから見返すとめちゃめちゃ恥ずかしかったりするけど、なんか頭の中がぐるぐるして眠れないから、あることないこと吐き出してスッキリしときたい。日付が変わる手前までバ…

ハードボイルドとケストナーに学ぶサバイブ術

さっきちょこっと書いたチャンドラーの小説の中で、こんなセリフがある。 「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」 二十歳を過ぎたくらいから、これからのこととかも考え始めた時から、めんどくさいことやしんどいこと…

長嶋有とチャンドラーとジャームッシュへのラブコール

『泣かない女はいない』を読んだ。長嶋有の小説を読むのはこれで三冊目で、今までに読んだ二冊は『ジャージの二人』と『猛スピードで母は』なんだけど、長嶋有の魅力の一つには、解釈を寄せ付けないほどの視点のフラットさがあると思う。つつがない毎日の中…

日記

どんな内容でも、文章を書くとスッキリする。もやもやがほんの少しだけ晴れるというか、自分の考えていることにちょっとした居場所が与えられるような感じがする。だから今日も日記っぽいことを書いてみる。今日1日のこととか、最近お気に入りの漫画とか、映…

最近のこと

ここ数日すっかり気が抜けてしまっている。去年の暮れからずっとやらなきゃいけないことに追われていて、大学生活の三年間を一緒に過ごした先輩たちの卒業ライブが土日にあって、それが終わってからすぐにすることは何もなくて、筋肉痛なのか風邪なのか全身…

僕の現在地はどこかの誰かにとっての遠い場所

同じ町の中で暮らしていても、見える景色が同じだとは限らない。日々の生活の中で、思うことや、気にすること、その日やらなければいけないことや帰ったらしたいことだって人それぞれまったく違うだろう。僕は今日は最近ハマっている漫画家の福満しげゆきの…

いろんな読書

2ヶ月ぶりの更新らしい。だけど別に大したことを書くわけじゃありません。読書ってやっぱり楽しいよねって話です。これまで本を読む時は、この世界に散らばるたくさんの本の中のそのまたたくさんの活字の中から、見える世界が鮮やかに一変するような、あるい…

いろんな読書

2ヶ月ぶりの更新らしい。だけど別に大したことを書くわけじゃありません。読書ってやっぱり楽しいよねって話です。これまで本を読む時は、この世界に散らばるたくさんの本の中のそのまたたくさんの活字の中から、見える世界が鮮やかに一変するような、あるい…

自転車を盗まれたことがある人・ない人

世の中には二種類の人間しかいない。自転車を盗まれたことのある人間と、自転車を盗まれたことがない人間だ。 これは事実を書いている文章だけれども、心の底からそんな風に思っているわけではないような気もする。自転車を盗まれた経験の有無がその人のその…

くるり『THE WORLD IS MINE』

最近、二年前に水没してからほっったらかしていたiPodが気づいたら直っていて、ときどき不意に音量がMAXになる不具合に怯えながらも、よくイヤホンで音楽を聴くようになった。これまではパソコンに安いスピーカーを繋いで音楽を聴いていたのだけど、スピーカ…

コトバを連呼するとどうなる

藤井貞和という詩人がいる。どういう詩人なのか、よくわからない。そもそも詩人を言葉で簡潔に説明することは、できるんだろうか。詩人は詩の中でしか生きていないのだから、詩人の姿は詩の中にしか見られない。詩について、あるいは詩人について、何かを書…

舞城王太郎『ビッチマグネット』物語についての物語

舞城王太郎の『ビッチマグネット』は、物語についての物語であると思う。物語とは何か、物語に何ができるか、というテーマについて、真面目に考え抜いて書かれた作品だと思う。 そうは言っても難しい内容なわけではなく、思春期から大人へと変わっていく一人…

ロマンスがありあまる僕たちへ

人って流されやすい生き物だと思う。こだわりがあるとか、譲れないものがあるとか、芯がある人とかいうと、格好良いように思われるし僕もそう思うけど、人は流されやすい生き物だと思う。でもそれは悪いことでは全然なくて、環境適応能力というか、進化の過…

元町夏央『熱病加速装置』を読んで思ったことやあまり関係のないあれこれ

法や秩序に従って生きることは、精神の睡眠だという人がある。しかし、すべてを疑って倦怠の内ににいることは、精神の不眠症であると思う。すべては思いの力一つというか、気の持ちようによってどうとでも見た目が変わるけれど、何でもかんでも底抜けに明る…

外に出たいと思った

素直な心でしゃべりたいと思う。自分の声で話したいと思う。 毒にも薬にもならなくて、誰かの心を動かすわけでもなくて、新しい発見でもなんでもなくて、どちらかといえば言わなくてもいいこと。そんなことを大事にしたいと思う。そんなことを誰かにしゃべり…

正しく考えるとはどういうことか

最近考えていることがある。「考える」とはどういうことなのか、ということだ。また、「思考力」とはどんなものなのか。 思考力があるといった場合、だいたい正しく考える能力があるという意味だが、正しく考えるとはどういうことなのか。正しい結論にたどり…

春の胸のざわめきについて

春が近づいているのが、ぼんやりと肌で感じられて、心中穏やかではない。 季節の変わり目はいつだって、ひとつの季節にまとまっていた時間の固まりが、どっと流れ出すように感じられて、いつの間にか過ぎてしまった時間の多さを突きつけられるようで、胸がざ…

グザヴィエ・ドラン『胸騒ぎの恋人(2010)』

胸騒ぎの恋人(字幕版) 発売日: 2014/07/04 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 時間とはいったいどのようなものであろうか。僕達の存在はこの時間というなにやら得体の知れない物と密接な関わりを持ちながらも、時間についてきちんと考えて…

老作家、書くことの極致、武者小路実篤の晩年

僕も八十九歳になり、少し老人になったらしい。 人間もいくらか老人になったらしい、人間としては老人になりすぎたらしい。いくらか賢くなったかも知れないが、老人になったのも事実らしい。しかし本当の人間としてはいくらか賢くなったのも事実かも知れない…

今ここから読む石川啄木

石川啄木は、1886年に生まれて岩手県で生まれて、17歳の時に文学を志し上京し、あれこれ生活に苦心をしながら、1912年に結核で死ぬまで、詩を作ったり、歌を詠んだり、小説を書いたりしていた。 彼自身は小説家を目指していたようだが小説はあまりおもしろく…

言いたいことはなくなった

あるテーマを設定して、それについてこう書こうとすると、書けなくなる。なんだか間違いだらけなような、嘘っぽい感じになる。ついつい上手にまとめようとしてしまうし、背伸びがしたくてしたくてたまらなくなる。 自分が知らないことについては、訳知り顔で…

川上未映子『わたくし率 イン歯ー、または世界』 「私」の問題

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫) 作者: 川上未映子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/07/15 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (41件) を見る 人は、自分以外の誰かになることはできない。言い換えると、私…

現代短歌の可能性

僕たちはいつだって、「いま・ここ・わたし」を生きるしかない。 そして時々、僕たちの「いま・ここ・わたし」は頼りない。今ここにあるすべてでは、どうやって生きていけばいいのかわからなくなる時がある。 そんなとき、たった一つでも、ささやかでも、あ…

天才と悪魔 <快ー不快>という尺度

Robert Johnson- Crossroad ロバートジョンソンという伝説のブルースマンがいる。ローリングストーンズだとか、その後のたくさんの音楽に影響を与えた。僕にはイマイチぴんとこないが、ポップソングの祖だなんてことも囁かれている。 彼には一つ、おもしろい…

「意味がない」ということについて

なにかの意味を実感するためには、信じることがその前提にある。 意味の背後の価値、及びそれを形作るところの価値観を、全面的に受け入れて肯定し信じることができなければ、何事も意味を為さない。 神様を信じない人にとっては、祈りなんて無意味だし、ロ…

読書の楽しみ

たまに、たくさん本を読んでいてすごいね、とかえらいね、とか言われることがある。 褒められるともちろんうれしいけれど、別に褒められたくて読んでいるわけではない。ただ楽しいから読んでいるのだ。僕は本を読むのは楽しいことだと思うけれど、そう思わな…

”ジャズな書き方”試論

壊してね 壊してね こうやって作るんよ 壊してね 壊してね こうやって作るんよ せやけどね 戻らんよ 壊したもんは戻らんよ 別物や 別物や 全くもっての別物や ミドリ (Midori) - ちはるの恋 ジャズには、テーマと呼ばれるメロディがあって、決められたコード…

ヴィム・ヴェンダース『ランド・オブ・プレンティ』 あの日から僕らが考えている「豊かさ」について

アメリカ合衆国。USA。日本に住む僕らからしたら、まったくのよその国のはずなのに、僕らはみんなアメリカの大統領の名前をフルネームで言える。誰もがアメリカ製のピカピカした映画を観たことがある。ジーンズを履いたことがある。人によっては、ニューヨー…

坂口安吾『恋をしに行く(「女体」につづく)』 「恋愛とは性欲の詩的表現にほかならない」のか?

まずタイトルが、洒落ている。ちょっとそこまで買い物に行ってくるよ、とでも言う風に、「恋をしに行く」。ふしだらな男女の小説を書いてばかりいる安吾が言うと、不思議に格好良く、説得力があって、しびれる。 実際、そんなものなのかもしれない。堀江敏幸…

太宰治『富嶽百景』 ぼくのかんがえるさいきょうの作家

作家と作品の関係は、しばしば論争の対象となる。作品と作家の私生活とは関係がないという人もいるが、批評では作品と作家の生い立ち、環境、日記などを照らし合わせて作品を分析する、という方法がよく行われている。 中でもとりわけ作品が、作者の生活や人…

本谷有希子『生きてるだけで、愛。』 純文学は今どこにあるのか。

文学とは、生きることだ。純文学とは、その国で、その時代で、その人が生きていくための言葉なのだ。生きとし生けるものの、よろこびだ。生まれ出づるものへの手紙だ。 朝、目が覚めて、静かな気持ちで君を想うということ。さみしさや、焦燥感にやられて、騒…

ジュリアン・グリーン『アシジの聖フランチェスコ』

映画『ゴダールのマリア』で、主人公が読んでいたのが気になって、学校の図書館で借りて読んだ本。 アシジの聖フランチェスコは、13世紀の人で、教会の権力化に伴う腐敗がすすむ中、聖書の言葉を信じて祈り、語り、行動をして、生きた実在の人物で、聖人とさ…

阿部和重『グランド・フィナーレ』、現在進行形の文体

小説と、ぼくたちが普段書いている普通の文章との違いってなんだろう。小説と、日記やエッセイや詩、歴史や神話との違いはどこにあるだろう。 小説には、ストーリーがある。というのを小説の定義だと思っている人は多いけど、それだけではないと思う。うんと…